目次
概要
ノーリツ Nest N3WU5PWAP2STE、ノーリツ Mikke。今回はこの2機種を相手に、Fami N3WV6G LPを「日々の台所仕事でどう感じるか」という視点で捉え直していきます。大事にしたのは、操作の戸惑いの少なさ、調理中の集中を途切れさせない扱いやすさ、終わってからの片付けの負担感の小ささ。その上で、火の見え方やノブの回し心地、点火から加熱の立ち上がり方、グリル内の扱いやすさといった細部の体験差を手触りとして拾い、台所の時間を気持ちよく前に進めてくれるかを判断軸にしています。Nestに惹かれる人は多機能の充足感や所有満足を求めがち、Mikkeに惹かれる人は直感的な操作と迷わなさを重視しがち。その間でFamiが示すのは、機能を追い込み過ぎず、でも物足りなくもない「ちょうどいい領域」に置かれた使い勝手です。目の前の献立に合わせて、強めの火から落ち着かせるまでの調整が気持ちよくつながり、グリルも取り回しのストレスを感じにくい。見た目の派手さや数値の優位よりも、朝昼晩の繰り返しの中で「疲れない」を積み重ねる実用の魅力があるか。そこにFamiの価値を見つける人は、きっと多いはず。続きでは、こうした体感差を具体的なシーンごとに掘り下げ、3機種の向き不向きと、台所のリズムに合う選び方を明快に描きます。
比較表
| 機種名(固定文言) | ノーリツ Fami N3WV6G LP | ノーリツ Nest N3WU5PWAP2STE | ノーリツ Mikke |
|---|---|---|---|
| 画像 | |||
| 設置タイプ | ビルトイン | ビルトイン | ビルトイン |
| ガス種別 | LPガス | LPガス | LPガス/12A13A |
| コンロ口数 | 3口 | 3口 | 3口 |
| グリル種別 | 無水両面焼き | 無水両面焼き | 無水両面焼き |
| トッププレート材質 | ガラストップ | つやめきガラストップ | つやめきガラストップ |
| トッププレート幅 | 59 cm | 60 cm | 59.6 cm |
| 外形寸法(幅×高さ×奥行) | 596×271×492 mm | 596×271×492 mm | 596×220×509 mm |
| グリル有効寸法(幅×奥行×高さ) | 258×323.5×60 mm | ||
| 本体質量 | 23 kg | ||
| コンロタイマー | ○ | ○ | |
| 高温炒め | ○ | ○ | |
| 自動炊飯 | ○ | ○ | |
| 湯沸かし | ○ | ○ | |
| オートグリル | ○ | ○ | ○ |
| グリルタイマー | ○ | ○ | |
| 中火点火 | ○ | ○ | |
| チャイルドロック | ○ | ○ | |
| 鍋なし検知 | ○ | ○ | |
| 感震停止 | |||
| 乾電池タイプ | 単1×2(DC3.0V) |
比較詳細
ノーリツ Fami N3WV6G LPを実際に使ってみると、まず火力の立ち上がりが非常にスムーズで、点火した瞬間から安定した炎が広がる感覚がありました。Nest N3WU5PWAP2STEと比べると、炎の集中度がやや強く、鍋底にしっかりと熱が伝わる印象があり、炒め物をした際に食材がシャキッと仕上がるのが体感できます。Mikkeは柔らかい火の広がり方をするため煮込み料理には向いていると感じましたが、Famiの方が短時間で温度を上げたい場面では頼りになる存在でした。
操作性に関してもFamiはダイヤルのクリック感が程よく、指先に伝わる抵抗が安心感につながります。Nestはやや軽めのタッチで回せるため素早い調整が可能ですが、逆に微妙な火加減を合わせる際には少し繊細さが足りないと感じました。Mikkeは中間的な操作感で、誰にでも扱いやすいバランス型といえますが、Famiの確かな手応えは料理中の集中を高めてくれるように思えます。
グリル部分ではFamiの焼き上がりが均一で、魚を焼いたときに皮がパリッと仕上がりやすく、内部の水分を保ちながら香ばしさを引き出してくれる点が印象的でした。Nestはグリルの火力がやや強めに感じられ、表面が早く色づく一方で内部の火の通りに注意が必要でした。Mikkeは全体的にマイルドな焼き上がりで、焦げ付きにくい安心感がありますが、仕上がりの迫力という点ではFamiが一歩抜けていると感じました。
デザイン面ではFamiはシンプルながらも落ち着いた雰囲気を持ち、キッチンに置いたときに空間を引き締める印象があります。Nestはややモダンでスタイリッシュな雰囲気を持ち、インテリア性を重視する人には魅力的ですが、Famiの控えめな存在感は長く使うほどに愛着が湧いてきます。Mikkeは柔らかい曲線を取り入れたデザインで親しみやすさがありますが、落ち着いた空気感を求めるならFamiの方がしっくりきました。
実際の調理シーンで感じた違いとして、Famiは火力の安定性が高いため、強火から弱火への切り替えでも鍋の温度が急激に落ちにくく、煮物やスープを作る際に味がぶれない安心感がありました。Nestは瞬発力があるので一気に加熱したい場面では便利ですが、長時間の煮込みでは火の強さを抑える工夫が必要でした。Mikkeは全体的に穏やかな火力で、じっくりとした調理に向いているため、料理スタイルによって好みが分かれると感じました。
安全性の面でもFamiは点火後の炎が安定しているため、不安定な揺らぎが少なく、安心して鍋を置けるのが魅力です。Nestは火力が強い分、鍋底が焦げ付きやすい場面があり、注意深く扱う必要がありました。Mikkeは火の扱いやすさが際立ち、初心者でも安心して使える印象ですが、料理にこだわりたい人にはFamiの安定感がより心強く感じられるでしょう。
音の面でもFamiは点火時の音が控えめで、静かな環境を保ちながら料理ができるのが好印象でした。Nestはやや大きめの点火音があり、力強さを感じる一方で落ち着いた雰囲気を求める人には少し気になるかもしれません。Mikkeは軽快な音で、家庭的な雰囲気に馴染みやすいですが、静けさを重視するならFamiが優れています。
総合的に見て、Fami N3WV6G LPは火力の安定性、操作感の確かさ、グリルの仕上がりの良さなど、料理をより楽しく、安心して行える要素が詰まっていると感じました。Nestは瞬発力とモダンなデザインが魅力で、スピード感を求める人に合います。Mikkeは柔らかい火力と親しみやすいデザインで、家庭的な雰囲気を大切にする人に向いています。実際に使ってみると、Famiは料理の仕上がりに一段上の満足感を与えてくれる存在であり、日常の食卓を少し特別なものにしてくれると感じました。
まとめ
良かった順に挙げるなら、まずはNest N3WU5PWAP2STE。炎の立ち上がりと微調整の幅が広く、強火からトロ火まで料理の「狙い」がぶれない感覚が心地よい。実際に中華鍋で野菜をシャキッと炒めたときの火力のノリ、弱火でソースを煮詰めても焦げ付きにくい安定感は、段取りの自由度を確かに広げてくれた。グリルも操作系が直感的で、焼き目の入り方が素直。次点はFami N3WV6G LP。毎日の相棒としての「ちょうど良さ」が光る。左右どちらでも火加減を追い込めるバーナーは、卵焼きの層を重ねるときの手応えが軽く、煮物の火加減を刻むときも思った通りに落ち着く。グリルは引き出しやすく、油跳ねの後始末も拍子抜けするほど短時間で片付く。天板の手触りがつるりとしていて、布を滑らせると汚れがスッと退く感じも好み。三位はMikke。必要十分な機能に絞った潔さで、付属容器を使ったオート調理は「焼き上がりのムラ」を抑える印象。日々の定番おかずを淡々と仕上げるには十分だが、火力の追従性や操作の余裕は上の二機種に一歩譲る。ベストチョイスはFami N3WV6G LP。毎日触れるパネルの質感、掃除の気軽さ、火の追従性がバランスよくまとまっていて、忙しい日でも「雑にならない」余白を残してくれる。Nestは料理の幅を広げたい人に、Mikkeはコストと必要機能の両立を重視する人にすすめたい。
引用
https://www.noritz.co.jp/product/kitchen01/builtin/fami/fami_standard.html
https://www.noritz.co.jp/product/kitchen01/builtin/nest/
https://www.noritz.co.jp/product/kitchen01/builtin/mikke.html
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