目次
比較概要
ノーリツ Fami N3WV6G 12A13A、リンナイ SENCE(センス) RS31W36T2RVW 12A13A、パロマ BRilliO(ブリリオ)の3機種を、「毎日の使いやすさ」と「仕上がりの納得度」で比べていきます。スペック表だけ見ると、いずれもSiセンサーコンロ・温度調節・タイマー・炊飯機能などの基本装備はしっかり揃っていて、ぱっと見では大差がないようにも映ります。
しかし、実際にキッチンで向き合うと、火力の立ち上がり方、つまみの手応え、グリルの引き出しやすさ、天板の拭き取り感触、安全機能の「出しゃばり具合」など、細かな違いが調理のテンポやストレスにそのまま跳ね返ってきます。直感的に回し、押し、選ぶだけで思い通りの強火からトロ火まで持っていけるかどうかは、料理の段取りをどれだけ軽くできるかに直結します。
グリルの出し入れと洗いやすさも、焼き魚やトーストをどれだけ気軽に献立に組み込めるかを左右します。焼き網やプレートの扱いがスムーズだと、「汚れるから今日はやめておこう」が減り、「せっかくだから焼いてみようか」に変わります。また、鍋の煮こぼれや消し忘れに対して、自然なタイミングで介入してくれる安全機能は、忙しい時間帯に火元を任せられる安心感につながります。
天板の汚れ落ち、縁の拭き取り、ツマミ周りの手入れのしやすさは、週末のリセットや来客前の「さっと整えたい」場面で効いてきます。幅や奥行きといった外形寸法、納まりの感覚は、今のキッチンに無理なく収まるかどうか、作業スペースが狭くならないかに直結します。この記事では、そうした「毎日」に効く差を、調理シーン別にほどきながら、3機種それぞれの得意・不得意を見極めていきます。読み進めるほどに、ご自宅のキッチンと生活リズムに合う一台が自然と見えてくるはずです。
比較表
| 機種名 | ノーリツ Fami N3WV6G 12A13A | リンナイ SENCE RS31W36T2RVW 12A13A | パロマ BRilliO |
|---|---|---|---|
| 画像 | |||
| 設置タイプ | ビルトイン | ビルトイン | ビルトイン |
| ガス種 | 都市ガス 12A・13A | 都市ガス 12A・13A | 都市ガス 12A・13A |
| トッププレート素材 | ガラストップ | ガラストップ | ガラストップ |
| トッププレート色 | ブラック系 | シルバー系 | ブラック系 |
| バーナー数 | 3口 | 3口 | 3口 |
| グリルタイプ | 水無し両面焼き | 水無し両面焼き | 水無し片面焼き |
| グリルサイズ | ワイド | ワイド | 標準 |
| 安全機能 | Siセンサーコンロ、立ち消え安全装置、消し忘れ消火機能 | Siセンサーコンロ、立ち消え安全装置、消し忘れ消火機能 | Siセンサーコンロ、立ち消え安全装置、消し忘れ消火機能 |
| 温度調節機能 | 有(温度調節機能付きバーナー) | 有(温度調節機能付きバーナー) | 有(温度調節機能付きバーナー) |
| 炊飯機能 | 有(炊飯モード) | 有(炊飯モード) | 有(炊飯モード) |
| 湯沸かし機能 | 有(自動湯沸かし機能) | 有(自動湯沸かし機能) | 有(自動湯沸かし機能) |
| オートグリル機能 | 有(オートメニュー対応) | 有(オートメニュー対応) | 無 |
| タイマー機能 | 有(コンロ・グリルタイマー) | 有(コンロ・グリルタイマー) | 有(コンロ・グリルタイマー) |
| 点火方式 | プッシュ式 | プッシュ式 | プッシュ式 |
| 外形寸法 | 幅596×奥行509×高さ220mm | 幅596×奥行509×高さ218mm | 幅596×奥行507×高さ220mm |
| グリル庫内寸法 | 幅260×奥行360×高さ77mm | 幅260×奥行360×高さ77mm | 幅240×奥行340×高さ77mm |
| 重さ | 約24kg | 約23kg | 約22kg |
| 電源・消費電力 | AC100V 50/60Hz | AC100V 50/60Hz | AC100V 50/60Hz |
| 付属品 | グリル網、グリルプレート | グリル網、グリルプレート | グリル網(ラ・クック別売が多い) |
| 製造国 | 日本 | 日本 | 日本 |
比較詳細
ノーリツ Fami N3WV6G 12A13Aは、火力の立ち上がりと調整の滑らかさが第一印象で、つまみを回し始めてから点火に至るまでのレスポンスが軽快です。つまみのトルクが一定で、弱火から中火、強火へと段階的に上げたときの炎の変化が素直に追従します。実際に野菜炒めを作っていると、フライパンを振りながら一瞬だけ強火に入れて、すぐ中火に戻すような細かな調整がやりやすく、「あ、今ちょうどいい」と思ったところで手を止めやすい感覚があります。野菜の食感を残したまま水分を飛ばす加減が決めやすく、鍋底に当たる熱の密度が均質に感じられます。
一方でリンナイ SENCE RS31W36T2RVW 12A13Aは、つまみに微細なクリック感があり、微調整を詰める場面で位置決めが明確です。出汁を含ませる煮物や、弱火でじっくり火を通したいメニューでは、このクリック感が「ひと目盛りだけ落とす」動作をサポートしてくれます。極弱火域の安定が際立ち、具材の中心まで熱が拡散するテンポが落ち着いているため、焦げ付きにくく、味がじんわりまとまります。タイマーと組み合わせると「もう少し煮込みたいけれど、コンロ前から離れたい」というシーンでも安心して任せられます。
パロマ BRilliOは操作系がやや重めで、狙ったところに止めるときの安心感が高く、強火のピークまでの到達が速い分、短時間で香ばしさを付けたい料理に向きます。炒飯や野菜のオイスター炒めなど、最初に一気に火力を入れて香りを立ち上げたい料理では、ブリリオの反応の早さが心地よく、「強火の気持ちよさ」を実感しやすいです。弱火維持は慣れると確実ですが、鍋の材質や厚みによっては焦げやすい縁が出やすく、最初のうちは火加減を見守る時間が少しだけ増える印象でした。
グリルの使い心地は三機種で色合いが異なります。Famiのグリルはスライド量が長めで奥まで見通しがよく、準備から取り出しまでの一連の動きがスムーズです。脂の落ち方が穏やかで、焼き魚の皮がバリッと立ち上がる一歩手前の“鳴る”瞬間を外さず、身の水分を抱えたまま仕上がるため、食卓で箸を入れたときに湯気の香りがふわっと立ちます。実際にサバの切り身を焼いたときも、表面はパリっとしつつ、中はふっくらしていて、「グリル任せでここまで行けるなら、焼き魚の頻度を増やしてもいいな」と感じました。
リンナイのグリルは均一な焼き目が付きやすく、上下の熱が揃っている印象で、厚みのある切り身でも中心まで火が通るタイミングを読みやすいです。表面に軽く焦げ目をつけて旨味を閉じ込めたい場面で、焼き過ぎによる乾きを避けられる余裕があり、仕上がりの再現性が高いと感じます。トーストとソーセージを同時に焼いてみても、焼きムラが少なく、忙しい朝でも「とりあえずグリルに入れておけば形になる」という安心感があります。
ブリリオは片面焼きですが、立ち上がりがキビキビしていて、短時間で香りを引き出すのが得意です。皮目を先にパリッとさせた後で裏返すと、脂が軽く落ちた状態で中に熱が通るため、濃い味付けでも重たくなりません。ラ・クックを組み合わせると、グリル庫内の飛び散りが抑えられ、魚だけでなく肉や野菜のオーブン風調理にも手を出しやすくなります。ただし、詰め込み過ぎると端の当たりが強くなりやすいので、量より間隔を優先するときれいにまとまります。
天板の質感と手入れのしやすさは、毎日の満足度に直結します。Famiのつやめきガラストップは手触りがなめらかで、油膜が広がったとしても布が滑って面で拭き取りやすく、細かい汚れも水の筋で浮かせて落とすイメージで片付けが進みます。親水アクアコートのおかげで、調理後の熱が引いた頃合いで水を含ませた布でひと拭きすると、曇りが残らずツルンと仕上がるのが快いです。実際、「今日はちょっと汚したな」と思った日でも、片付けの最後にさっと一周拭いておくだけで見た目が整い、翌朝の気分が違いました。
リンナイのトップも傷に強く、細い擦れが目立ちにくいので、重めの鍋やフライパンを頻繁に動かす家庭でも見栄えが崩れにくいです。拭き上げの最後に布を立てて縁をなぞると、水跡が残らず清潔感が続きます。グリルの前部や操作部との境目も段差が少なく、汚れが溜まりにくい設計です。ブリリオは汚れが熱で固まった後でも、温水で湿らせると表面からスッと離れてくれます。焦げ付きは事前に湿らせる時間を取ると無理なく落とせて、掃除の負担は想像より軽いと感じました。「今日はさすがに大掃除かな」と覚悟していた日でも、実際にやってみると拍子抜けするくらい短時間で片付きます。
鍋の置きやすさも違いが出ます。Famiはコンロ間の距離感が絶妙で、フライパンと片手鍋を同時に回しても干渉が少なく、柄の角度を気にせず手を入れ替えられます。大きめの炒め鍋で強火を使っても炎の先が外に巻きにくく、周囲の器具への熱影響が抑えられている印象です。実際、3口すべてを使って同時調理をしても、「どこかが窮屈で使えない」という状況が少なく、スペースの余裕を感じました。
リンナイは天板の奥行きが活きるレイアウトで、長手の鍋でも落ち着いて位置が決まり、煮込み用の厚手鍋を据えても余裕があります。パスタを茹でる背の高い鍋と、手前のフライパンを同時に扱っても、干渉が少ないのが好印象です。ブリリオは前後の導線が短く、手元での入れ替えが速いので、具材投入や味見の回数が多いレシピでもテンポよく進められます。その一方で、鍋を頻繁に回す調理では、柄の重みで位置がずれないよう意識すると、狙い通りの火当たりを維持できます。
安全と安心の感覚は、火を使う道具だけに微差が効いてきます。Famiは消し忘れ防止やチャイルドロックなどの安全機能が自然に溶け込んでいて、日常の操作フローを邪魔せずに守られている感じがします。沸騰の見極めにも使える温度管理が、料理中の“待ち”の時間を短くする手助けになり、火から目を離す瞬間の不安が薄れます。例えば、パスタの湯を沸かしながらサラダを準備していても、音と表示で様子が把握しやすく、「まだ大丈夫」「そろそろかな」が直感的に分かります。
リンナイは点火音が控えめで、キッチンの音環境が落ち着き、早朝や夜遅くの調理でも気配が静かです。弱火連続の煮込みでも火が消えにくく、長時間の安心感が積み上がります。実際にカレーやシチューをコトコト煮込んでいるときも、途中で火が落ちていないかを何度も確かめる回数が減りました。ブリリオは火を強めたときの躍動感が分かりやすく、視覚的にも“点いている”明瞭さがあり、家族と共有のキッチンでも火の状態が伝わりやすいです。安全機能の介入は過度ではなく、料理の流れを守る範囲で働いている印象で、「ちょっと攻めた火力」を使いたいときもストレスになりません。
料理の出来映えで体感できる差は、食感と香りの立ち方に表れます。Famiは炒めのキレがよく、香りが立つ瞬間に火力をすっと受け止めて、焦がす手前の旨味を拾ってくれます。焦がしバターやガーリックオイルのように香りのピークが短い素材でも、狙ったタイミングで火を落とせるので、仕上がりの透明感が保てます。実際、ペペロンチーノを作ったとき、ニンニクの香りを立ち上げてから一気にパスタと絡める流れがスムーズで、「家のコンロでもここまでできるのか」と少し感心しました。
リンナイは煮物の芯が整い、根菜にじんわり入る熱で甘みが丸く出て、汁に濁りが少ないです。火加減の底が安定しているため、翌日温め直したときも味のバランスが崩れにくいのが嬉しいところです。ブリリオは強火の立ち上がりが料理の表情を作るので、炒飯や青菜の油通しに向いていて、湯気の勢いと香味の鮮烈さが出ます。鍋肌に当てる角度を意識すると、弱火域も素直に追随し、繊細な料理でも狙いを外しません。
総じて、Famiは“素直さ”と“軽快さ”が日々の料理を支え、操作と仕上がりが直感的に結び付きます。リンナイは“静かな精度”で長時間の火加減を守り、煮込みやだし取りのような時間のかかる料理で満足度が積み重なります。ブリリオは“勢い”で短時間に香りと食感を立ち上げ、手早く仕上げたいレシピで頼もしい存在です。スペックだけでは見えない違いが、鍋を持って炎を覗き込む瞬間の体感で確かに分かれます。
日常の料理に合わせて、自分が多用する火の表情に近い機種を選ぶと、キッチンに立つ楽しさが一段と膨らみます。私自身、炒めと焼きの切り替えが多い日々ではFamiの追従性に救われ、週末の煮込みではリンナイの落ち着きに助けられ、忙しい平日の朝にはブリリオの速さに背中を押されました。どの機種も“料理が上手くなったように感じる”瞬間をくれるので、迷いながらも、手の癖とレシピの習慣に最も寄り添う相棒を選ぶのが満足への近道です。
まとめ
総評はノーリツ Fami N3WV6G 12A13Aが首位です。つやめきガラストップと親水アクアコートは日々の油じみを水のちからで浮かせて落としやすく、スライドグリルは取り出し幅が広がり扱いが軽快。ダブル高火力・ダブル温度調節で「炒めの勢い」と「煮物の落ち着き」を同時に支える万能感があり、プレートあたため機能も作り置きを自然に美味へ連れ戻します。使っていて、台所の段取りが整い、手間が減るという実感が強く、評価は4.6点(株式会社ノーリツ)。
次点はリンナイ SENCE RS31W36T2RVW 12A13A。Wワイド火力や温度自動調節、グリルの便利機能が定番調理に寄り添い、左右強火力の安心感で同時進行もぶつかりにくいです。日々の「いつものおかず」を安定して仕上げてくれる堅実さが魅力で、評価は4.4点(リンナイ株式会社)。
三位はパロマ BRilliO。ラ・クックで直火の旨みを手軽に広げ、オートメニューや30分消火あんしんモードが生活のリズムに優しいです。意匠のまとまりも良く、キッチンに置いたときの一体感も含めて満足度は高めで、評価は4.3点(株式会社パロマ)。
ベストチョイスはFami N3WV6G 12A13A。掃除・段取り・仕上がりの三拍子が日常を軽くし、料理の「もう一手」を後押ししてくれる相棒という位置づけです。炒め物中心のご家庭や、「とにかく後片付けをラクにしたい」というニーズを持つ方には、特にフィットする一台だと感じました。
引用
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