デロンギ リヴェリア EXAM44035Bの魅力


目次

比較概要

デロンギ リヴェリア EXAM44035B、デロンギ マグニフィカ スタート ECAM22062B、デロンギ マグニフィカ イーヴォ ECAM29081XTB。この3機種を並べてみると、「毎日の一杯」をどこまで作り込みたいか、そしてどこまで手軽さを優先したいかがはっきり見えてきます。重要なのは、朝の短い時間で迷わず淹れられること、好みの味に近づけやすいこと、手入れが面倒にならないこと。操作の分かりやすさや抽出の安定感、ミルの挙動、ミルクの質感、そしてカップに落ちる香り立ちまで、家庭のキッチンで実際に触れる視点で比べていきます。

リヴェリアは、19気圧ポンプと「Bean Adapt Technology(ビーン アダプト テクノロジー)」、2基の豆ホッパーを備えた新世代モデルです。豆の特性に合わせて抽出条件を最適化しつつ、最大4つのユーザープロファイルを保存できるので、「家族それぞれのいつもの味」をボタンひとつで呼び出せるのが大きな魅力。実際に使ってみると、浅煎りの華やかな豆から、深煎りのしっかりした豆まで、味の傾向が変わっても「このマシンらしいまとまりのある一杯」に着地してくれる感覚がありました。

一方で、マグニフィカ スタート ECAM22062Bは実売価格を抑えながら、1.8Lタンクとラテクレマ ホット(自動ミルク)を備えた「日常の相棒」という立ち位置。マグニフィカ イーヴォ ECAM29081XTBは1.9Lタンクと230gホッパー、カラー液晶を組み合わせ、ラテメニューも含めて幅広く楽しめるバランス型という印象です。どちらも15気圧ポンプ(抽出時9気圧)で、エスプレッソの基本性能は十分。設置や扱いに過度な構えを求めず、「とりあえず全自動で楽に美味しく」のニーズにはしっかり応えてくれます。

ここでは、見た目やサイズ感、ボタンの導線、洗浄の手間、豆から注ぎ終わるまでのテンポ、そして飲み終えた後に残る満足感を、生活シーンに重ねて比較します。来客時に続けてカップを出す場面、夜にデカフェで落ち着きたい場面、週末に豆を変えて楽しむ場面など、複数のシナリオで差が出るポイントを整理。特にリヴェリアは、2つのホッパーを切り替えられる「ビーンスイッチ」が効いていて、「平日はマイルドなブレンド、休日はシングルオリジン」といったメリハリをつけやすく、実際に使っていても豆の入れ替えストレスがほとんどありませんでした。

結論を急がず、「毎日、本当に使いたくなるか」「自分の好みの幅を受け止めてくれるか」という視点で読み進めてもらえるように、先入観に頼らず体験の輪郭を丁寧に描いていきます。気になるのは抽出の再現性とミルクの質感、そして清掃の負担。この3点が自分の優先順位と噛み合うかを確かめると、自然と合う一台が見えてきます。読み終わる頃には、自分のキッチンに置いた姿と、そこで淹れる「いつもの一杯」がかなり具体的にイメージできるはずです。

比較表

機種名 デロンギ リヴェリア EXAM44035B デロンギ マグニフィカ スタート ECAM22062B デロンギ マグニフィカ イーヴォ ECAM29081XTB
画像
タイプ 全自動エスプレッソマシン 全自動エスプレッソマシン 全自動エスプレッソマシン
ポンプ気圧 19気圧 15気圧 15気圧
抽出時気圧 9気圧 9気圧 9気圧
水タンク容量 1.4L 1.8L 1.9L
豆ホッパー容量 約250g×2基(ビーンスイッチ) 250g 230g
消費電力 1450W 1450W 1450W
電源コード長 2.0m 2.0m 2.0m
本体サイズ 幅250×奥行435×高さ380mm 幅240×奥行440×高さ350mm 幅240×奥行445×高さ360mm
本体重量 約10kg 約9.5kg 約10kg
カラー オニキスブラック ブラック/ホワイト チタニウムブラック
液晶パネル カラー液晶(タッチパネル) なし カラー液晶
自動内部洗浄 あり あり あり
スチームノズル 手動スチームノズル ラテクレマ ホット(自動ミルク) ラテクレマ ホット(自動ミルク)
ミルクフォーマー ミルクフロッサー搭載(手動) 自動ミルクフォーマー 自動ミルクフォーマー
給湯機能 あり あり あり
カップウォーマー なし なし なし
対応メニュー数 コーヒーメニュー8種類 コーヒー+ミルク系4種類 コーヒー+ミルク系7種類
挽き目調整 あり(段階調整) あり あり
豆適応技術 Bean Adapt Technology なし なし
ユーザープロファイル保存 最大4つ なし あり
オートオフ機能 あり あり あり
予約タイマー なし なし なし
Bluetooth接続 なし なし なし
浄水フィルター対応 あり あり あり
操作UI 日本語対応カラー液晶+タッチ操作 物理ボタン カラー液晶+ボタン
発売日 2025年4月25日 2024年11月22日 2024年発売

比較詳細

デロンギ リヴェリア EXAM44035Bを実際に使ってみると、まず抽出の安定感が際立ちます。ボタンを押した瞬間から湧き上がる香りの密度が濃く、クレマの厚みがしっかりと立ち上がるのを目で確認できるのは、このモデルならではの体験です。マグニフィカ スタート ECAM22062Bと比べると、同じ豆を使っても液体の質感がより滑らかで、口に含んだときの舌触りが柔らかく広がる印象を受けました。スタートモデルはシンプルで扱いやすい反面、抽出後の余韻がやや短く、飲み終えた後の満足感に差が出ると感じます。

マグニフィカ イーヴォ ECAM29081XTBと比較すると、イーヴォは多彩なメニュー選択が魅力で、ラテやカプチーノをワンタッチで楽しめる点が強みです。15気圧ポンプ+ラテクレマ ホットの組み合わせは安定していて、「とりあえず外れのない一杯」という安心感があります。一方でリヴェリアは19気圧ポンプとBean Adapt Technologyを活かし、エスプレッソの濃度や温度の安定性が高く、毎回同じ品質で抽出される安心感が際立ちます。イーヴォは遊び心を持って幅広く楽しめる一方で、リヴェリアは一杯の純度を追求するような印象で、飲み比べるとその差がはっきりと体感できます。

個人的に「これは便利だな」と感じたのが、リヴェリアの2基の豆ホッパーとビーンスイッチ機能です。朝は浅煎りのシトラス系、昼は中煎りのナッツ系、夜はデカフェといった具合に豆を切り替えても、ホッパーごと差し替えるだけなのでほとんど手間がありません。以前は「残っている豆を使い切るまで同じ銘柄を飲み続ける」パターンになりがちでしたが、リヴェリアにしてからは気分やシーンごとに豆を切り替えることが自然と増えました。正直、この自由度に慣れてしまうと、単一ホッパーのマシンに戻るのは少し物足りなく感じるほどです。

操作性に関してもリヴェリアは直感的で、カラー液晶の表示が分かりやすく、タッチパネルの反応も素早い印象です。メニュー選択から抽出スタートまでの流れがスムーズで、「あれ、この画面からどう戻るんだっけ?」という戸惑いがほとんどありませんでした。スタートモデルは物理ボタン中心でシンプルさが魅力ですが、細かい抽出量や温度の調整を求めるとやや不便さを感じる場面があります。イーヴォはメニュー選択の幅が広い分、画面に表示される情報量も多く、慣れるまで少し時間がかかる印象です。リヴェリアはその中間に位置し、分かりやすさと調整の自由度を両立しているため、日常的に使う際のストレスが少ないと感じました。

抽出音の静かさもリヴェリアの特徴で、朝の静かな時間に使っても周囲を気にせず楽しめる点は大きな魅力です。スタートモデルはややモーター音が強く、豆を挽く際の音が響きやすい印象でした。イーヴォはその点が改善されているものの、連続抽出時にはそれなりに存在感のある音が出ます。リヴェリアは音の質が柔らかく、作業台に置いていても「ガチャガチャした機械音」が前面に出ないので、生活空間に自然に溶け込みます。数値上のデシベルだけでは見えない部分ですが、毎朝・毎晩と使い続けると、この静かさの差がじわじわ効いてきます。

ミルクフォームの仕上がりについては、キャラクターの違いがはっきり出ました。イーヴォとマグニフィカ スタートはラテクレマ ホットの自動ミルク機能を備えており、ボタンひとつでふわっとした泡を安定して作れるのが強みです。特に家族で使う場合や、ラテ系を頻繁に飲む場合は、この「オートの安心感」が頼もしい存在になります。対してリヴェリア EXAM44035Bは手動スチームノズルでのフォーム作りが前提で、最初はスチームの当て方やピッチャーの角度に少し慣れが必要でした。

ただ、何日か触ってコツをつかんでくると、リヴェリアのスチームはかなりコントロールしやすく、好みの泡質を狙って作れる印象です。きめ細かいマイクロフォームを作ってフラットホワイト寄りに仕上げたり、あえて少し気泡を残してカプチーノらしい軽さを出したりと、手を動かす楽しさがあります。「完全にオートに任せたいならイーヴォやスタート、泡の質感づくりまで自分で追い込みたいならリヴェリア」といった棲み分けで考えると、選びやすいと感じました。

デザイン面ではリヴェリアは直線的でモダンな印象を与え、キッチンに置いたときの存在感が際立ちます。250mm幅のボディに435mmの奥行き、380mmの高さという「ほぼ直方体」に近いプロポーションで、正面から見たときの情報量がスッキリしているのが好印象でした。スタートモデルはコンパクトで親しみやすい雰囲気があり、初めての全自動エスプレッソマシンとして安心感があります。イーヴォは曲線を取り入れたデザインで柔らかさを感じさせますが、パネルの印象はやや賑やかになりがちです。所有欲という意味では、マットな質感のリヴェリアが一歩リードしているように感じました。

抽出後の後片付けもリヴェリアはよく考えられていて、ドリップトレイや水タンクの取り外しがスムーズに行えます。前面からタンクを引き出せる構造なので、カウンター上に置いていても上方向のクリアランスをあまり気にせず設置できました。スタートモデルは構造自体がシンプルで掃除は簡単ですが、内部の形状がやや直線的で、コーヒーカスが溜まりやすい部分もあります。イーヴォは多機能ゆえに部品点数が多く、ミルクタンクまわりまで含めてしっかり洗おうとすると、どうしても少し時間がかかる場面もありました。

リヴェリアの良さが光るのは、「毎日の面倒くささをどれだけ減らせるか」という部分です。自動内部洗浄やカス受け10回分の容量、2.0mの電源コード長による設置の自由度など、細かい仕様の積み重ねが効いていて、「今日は片付けが面倒だからドリップでいいか」と妥協する日が減りました。実際、数週間使い込んでみると、朝のエスプレッソはもちろん、昼にアイスコーヒー、夜にデカフェと、一日の中で自然に触る回数が増えていき、「気付いたら一番触っている家電のひとつになっていた」という感覚があります。

総合的に体験を振り返ると、リヴェリアは一杯の完成度とカスタマイズ性を両立したい人に向いており、毎回安定した品質で抽出される安心感が魅力です。スタートモデルはシンプルさと扱いやすさが強みで、初めての一台として十分に満足できます。イーヴォは多彩なメニューで幅広く楽しめる点が光り、家族で使い回しても迷いにくいデザインとUIが特徴です。実際に飲み比べると、香りの厚み、口当たりの滑らかさ、泡の質感、操作の快適さなど、細部にわたって違いが積み重なり、リヴェリアを選ぶ理由が自然と浮かび上がってきます。毎日のコーヒー体験を格上げしたいと考えるなら、このモデルは確かな満足を与えてくれると強く感じました。

まとめ

最終的に最も満足度が高かったのはデロンギ リヴェリア EXAM44035Bです。19気圧ポンプとBean Adapt Technology、2基の豆ホッパーという組み合わせにより、抽出の安定感と風味の出方が一段深く、浅煎りでも香りのレイヤーがほどけるように立ち上がる印象でした。ミルクは手動スチームノズルでのフォーム作りになりますが、慣れてくるときめ細かなマイクロフォームも再現でき、ラテ系の口当たりを自分好みに追い込めます。操作系は直感的で、飲み方の微調整が短時間で決まるため、朝のルーティンに自然に馴染みました。清掃動線もよく、日々の手間がストレスにならないのが大きいポイントです。

次点はデロンギ マグニフィカ イーヴォ ECAM29081XTB。ややコーヒーの立ち上がりは穏やかですが、15気圧ポンプとラテクレマ ホットのおかげで、安定した一杯が続く安心感が魅力です。ミルクはふわっと軽めの泡で、カプチーノが気持ちよく仕上がります。操作パネルは見通しがよく、家族で使い回しても迷いにくい構成で、「誰が触ってもそれなりに美味しくなる」安心感の高さが光る一台です。

最後はデロンギ マグニフィカ スタート ECAM22062B。素直な味わいで日常使いに向き、価格と性能のバランスも良好ですが、香りの伸びと質感の細やかさでは上位2機種に一歩及ばない印象です。その一方で、1.8Lタンクと自動ミルク機能を備えつつ設置性も良く、「まずは全自動を試したい」「頻繁にラテを飲むが、細かな設定までは求めない」といったニーズにはしっかり応えてくれます。

総評として、風味の厚みとミルクの質感、操作と手入れのバランス、そして豆やプロフィールを細かく使い分けられる柔軟性まで含めて評価すると、リヴェリア EXAM44035Bがベストチョイスになります。イーヴォは万人に勧めやすい堅実さがあり、スタートはコンパクトに基本を押さえたい人に向く一台です。自分が「どこまでこだわりたいか」「どこから先は機械に任せたいか」をイメージしながら選ぶと、3機種の立ち位置がきれいに分かれて見えてきます。

引用

https://www.delonghi.com/ja-jp/products/coffee/coffee-makers/automatic-coffee-machines/rivelia-exam440-35-b

https://www.delonghi.com/ja-jp/products/coffee/coffee-makers/automatic-coffee-machines/magnifica-evo-ecam290-81-xtb

https://www.delonghi.com/ja-jp/products/coffee/coffee-makers/automatic-coffee-machines/magnifica-start-ecam220-62-b

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