目次
概要
ツインバード DR-F423B、象印 EVERINO ES-GX26、象印 EVERINO ES-KA18-WMの3機種を並べて見ると、「毎日の温め・解凍が中心か」「オーブン調理まで積極的に楽しみたいか」が自然と浮かび上がってきます。ポイントは操作の分かりやすさ、加熱のクセ、庫内の扱いやすさ、そして設置性のバランスです。例えば、ワンボタンでサッと温めたい場面と、火加減を追い込みながら仕上がりを自分好みに寄せたい場面では、同じ“便利”でも評価軸がまったく変わります。
解凍のストレスや丼ものの温めムラ、パンの食感維持など、生活の細部で生じる小さな違いは、そのまま体感に直結します。また、庫内の見やすさや掃除のしやすさは、購入直後よりも数ヶ月後、数年後の満足度を大きく左右する要素です。置き場所の自由度や静音性も、家族構成や間取りによって重要度が変わります。DR-F423Bは単機能電子レンジとして、毎日の繰り返しに耐える扱いやすさと「必要十分な調理の幅」をどう両立しているかが焦点。一方でES-GX26、ES-KA18-WMは、オーブン・グリル機能やメニューの充実度、加熱制御の丁寧さで、料理好きの期待に応えやすい構成です。
結局のところ、「温め主体の実用性」か「レシピを広げる楽しさ」か。この記事では、普段の食事がどう変わるか、時間と手間がどれくらい節約できるか、後片付けまで含めた満足度の差を、使う場面ごとに立体的に描いていきます。読み進めるほど、自分の暮らしと台所のリズムにいちばん合う一台がはっきりしてくるはずです。
比較表
| 機種名 | ツインバード DR-F423B | 象印 EVERINO ES-GX26 | 象印 EVERINO ES-KA18-WM |
|---|---|---|---|
| 画像 | |||
| タイプ | 単機能電子レンジ | オーブンレンジ | オーブンレンジ |
| 庫内容量 | 23L | 26L | 18L |
| 庫内構造 | フラット | フラット | フラット |
| 外形寸法(幅×奥行×高さ) | 510×352×303mm | 483×396×310mm | 470×400×340mm |
| 庫内有効寸法(幅×奥行×高さ) | 336×336×215mm | 319×350×215mm | 320×330×180mm |
| 最大レンジ出力 | 1000W | 1000W | 900W |
| 解凍出力 | 200W連続 | 200W相当 | 200W相当 |
| センサー | 赤外線センサー | 温度センサー | 温度センサー |
| ドア開閉方向 | 縦開き | 縦開き | 縦開き |
| 周波数対応 | 50/60Hz | 50/60Hz | 50/60Hz |
| 操作方式 | ボタン式 | タッチパネル | ボタン式 |
| オーブン最高温度 | オーブン機能なし | 250℃ | 250℃ |
| オーブン最低温度 | オーブン機能なし | 100℃ | 100℃ |
| グリル機能 | なし | あり | あり |
| トースト機能 | なし | あり | あり |
| 発酵機能 | なし | あり | あり |
| スチーム機能 | なし | あり | なし |
| ノンフライ機能 | なし | あり | なし |
| チャイルドロック | あり | あり | あり |
| カラー | ブラック | ホワイト/ブラック | ホワイト |
| 発売年 | 2025年 | 2023年 | 2023年 |
比較詳細
ツインバード DR-F423Bの使い心地
ツインバード DR-F423Bを数週間使い通してみて、まず感じたのは「気負わず毎日の食事づくりに乗ってくるリズム感」です。操作系が素直で、温めと解凍の切り替えが迷いなく進むので、平日の忙しい時間帯でも流れを崩さず回せます。庫内はフラットで見通しが良く、途中で扉を開けて状態を確かめるときもストレスが少ない印象でした。
ご飯の温め直しでは、ふっくら感を残しつつ、べたつきを抑えたまとまり方で、茶碗の底に水が偏るような不快さが少ないのが好印象です。「とりあえず昨日の残りをさっと温めたい」という場面で、出力を細かくいじらなくても破綻しないところが日常使いの強みだと感じました。正直なところ、凝った料理をするならオーブンレンジに軍配が上がりますが、日々の主役が温めと解凍なら、DR-F423Bで不便を感じる場面は思った以上に少ないです。
象印 EVERINO ES-GX26 / ES-KA18-WMの強み
対して象印 EVERINO ES-GX26は、温まり方のムラが出にくいと感じる場面が多く、分厚いおかずや大きめの皿でも端までしっかり熱が通った印象です。いったん慣れてしまえば「このメニューならこのボタン」で完結する流れが固まりやすく、料理のパターンが決まっている家庭ほど恩恵が大きいタイプです。ES-KA18-WMはコンパクトで置きやすく、限られたスペースでも視界や動線を邪魔しないのが魅力。小さめの庫内を逆手に取って、少量をこまめに温めるスタイルにはよくハマります。
三者を並べてみると、日々の段取りの組みやすさと、仕上がりの安定感をどうバランスさせるかがテーマになります。「温め主体で良いから気軽に使いたい」ならDR-F423B、「温めも焼きも一台で完結させたい」ならES-GX26、「コンパクトさとオーブン機能を両立させたい」ならES-KA18-WM、という住み分けが見えてきます。
ご飯・パン・冷凍食品の仕上がりの違い
ご飯の温め直しで差が出やすいのは水分の扱い方です。DR-F423Bは、冷蔵ご飯でもふっくら感を残しつつ、べたつきを抑えるまとまり方で、茶碗の底に水がたまるような感じが少ないです。ES-GX26は芯までふんわり引き上げるイメージで、冷えた白米でも炊き立て寄りの再現度が高め。ES-KA18-WMは量を控えめにした時の仕上がりが軽快で、小盛りを繰り返す家庭には気持ちよくフィットします。
パンのリベイクでは、オーブン機能を持つES-GX26とES-KA18-WMがやはり有利です。ES-GX26は厚切り食パンでも内側のしっとり感を維持しつつ、表面の軽いパリッと感を両立させやすい印象。ES-KA18-WMは薄めのパンやロールパンを小刻みに温める用途に向き、朝の短い時間で素早く整えるのに便利です。DR-F423Bはレンジ加熱のみなので、表面のカリッと感はトースターとの併用前提になりますが、冷えたパンを「とりあえず柔らかく戻したい」ときには十分実用的でした。
冷凍食品の解凍は、中まで崩さず温度を揃えることが鍵です。DR-F423Bは200W連続の解凍が使いやすく、途中の様子見でこまめに止めながら調整しやすいので、「半解凍で止めたい」人には合います。ES-GX26はおまかせで進めても仕上がりのブレが少なく、皿の端だけ熱くなりすぎるストレスが出にくいタイプ。ES-KA18-WMは量を控えめにするときの解凍が軽快で、必要十分なところで止めやすい感覚があります。作り置きのサイズや冷凍の厚みで相性が変わるので、自宅の冷凍庫のラインナップと合わせて考えると違いが見えやすいです。
オーブン料理とDR-F423Bの立ち位置
グラタンやラザニアのように「焼き目を付けて完成させる」料理は、オーブン機能を備えたES-GX26とES-KA18-WMの得意分野です。ES-GX26は器の縁まで均一に熱が入るため、端が冷めがちになる不公平感が少なく、表層の焼き色もきれいに整いやすい印象でした。ES-KA18-WMは小さめの耐熱皿で量を抑えたとき、短時間で満足の焼き目に持っていけるテンポの良さが光ります。
一方でDR-F423Bにはオーブン機能がないため、グラタン類は「レンジで中まで温めて、焼き色は別のトースターで付ける」といった役割分担が基本になります。実際に、具材の下ごしらえやホワイトソースの温めをDR-F423Bに任せ、最後の焼き目だけオーブントースターにバトンタッチする運用にしてみたところ、思ったより手間は増えませんでした。「ガチのオーブン料理まではやらないけれど、軽く焼き目を付ける程度なら別機器と分担で十分」というスタンスなら、DR-F423Bでも現実的に回せます。
肉・野菜・おかずの下ごしらえ
肉料理は加熱中の音や匂いも気になります。DR-F423Bは匂いの残り方が穏やかで、次の調理への切り替えがしやすい印象です。薄切り肉をさっと火を通す下ごしらえでは、出力を落として様子を見ながら加熱すると、パサつきにくく扱いやすい状態に整えられます。ES-GX26は加熱の進み具合が読みやすく、途中の様子見の判断が外れにくいので、厚手の肉でも過加熱にしにくいのがメリット。ES-KA18-WMは味付け済みの簡便なメニューをさっと仕上げるのが得意で、平日の夕食で「待たされる感じ」を減らしてくれます。
野菜の下ごしらえ、特に根菜の下茹でや温野菜づくりでは、加熱の入り方に好みが出ます。DR-F423Bは火の入りが素直で、硬さの調整がしやすく、後工程の炒めや煮込みに繋ぎやすい印象でした。ES-GX26はムラが少なく、角切りでも全体の食感を揃えやすいので、サラダの完成度が安定します。ES-KA18-WMは少量を繰り返す用途向きで、お弁当用のおかずを小分けで作る家庭には扱いやすいバランスです。
焼き菓子づくりと趣味のベイキング
焼き菓子に関しては、オーブン機能の有無がそのままできることの差になります。DR-F423Bはオーブン機能を持たないため、クッキーやパウンドケーキそのものを焼き上げることはできませんが、バターやチョコレートを溶かす、下ごしらえ済みの生地を軽く温めて扱いやすくするといった「準備」の段階で活躍します。
ES-GX26は予熱から焼成までの流れがつかみやすく、クッキーの縁が整って仕上がるので、見た目の満足度が高いタイプ。焼き面の色むらも出にくく、焼成後の冷め方も安定しているため、複数枚を続けて焼くときに心強さを感じました。ES-KA18-WMは小さなバッチを短時間で回す用途で活躍し、「思い立ったときにサッと焼く」スタイルに向いています。趣味のベイキングが週末のルーティンなら、ここでの違いが決定打になりやすいです。
仕上げの質感・音・掃除のしやすさ
食卓に出す直前の「仕上げ」の質感も満足度に直結します。DR-F423Bはレンジ加熱のみながら、表面に軽い乾きを与えて油分の重さを和らげるフィニッシュが得意で、揚げ物の再加熱に効果的です。ES-GX26はジューシーさを残したまま表層の食感を整えるバランス感が光り、肉厚の料理でも食べ始めの一口が豊か。ES-KA18-WMは軽い仕上げを繰り返す用途に向き、朝昼晩で何度も少量を温める家庭にフィットします。
音や振動の感じ方は生活空間の快適さに影響します。DR-F423Bは動作音が気になりにくく、テレビや会話と並行しても集中が途切れませんでした。ES-GX26は加熱の立ち上がりが安定しており、動作の印象が落ち着いています。ES-KA18-WMは小ぶりな設置感で存在感が出過ぎないので、狭いキッチンでも圧迫感がありません。
庫内の掃除は長期満足度を左右します。DR-F423Bはフラット庫内で拭き上げの手間が軽く、油はねやソースの飛び散りをサッと片付けられるので、週末にまとめて掃除するスタイルでも負担が増えません。ES-GX26は使用頻度が高くても汚れが溜まりにくい印象があり、臭い戻りの心配が小さいです。ES-KA18-WMは一度に大量調理をしない前提なら汚れの蓄積が穏やかで、こまめ掃除と相性が良いと感じました。
操作感と家族みんなが使えるかどうか
操作感は毎日の心理的な負担に直結します。DR-F423Bは迷わないボタン式で、料理の途中で設定を変えても流れが止まりにくい素直さがあります。数字キーや複雑なメニューを覚えなくていいので、来客や家族が入れ替わっても説明いらずで使えるのは大きな安心感でした。
ES-GX26は多機能でありながら、使い込むほど「このメニューはこのボタン」という定番の流れが身体に馴染んでくるタイプ。家庭のメニューがある程度固定化しているほど真価を発揮します。ES-KA18-WMはシンプルなボタン構成で、子どもから年配の家族まで直感的に扱える点が強み。使う人の数や年齢層に応じて、どの機種が「一番説明いらずか」が変わってくるのが興味深いところです。
実際に使ってみての体験談
実際にDR-F423Bを使っていて「助かったな」と感じたのは、朝のバタバタした時間帯です。正直、目も頭も完全には起きていない中で、複雑なメニューを選ぶ余裕はあまりありません。DR-F423Bなら、冷蔵ご飯とおかずを順番に入れて、いつものワット数と時間でポン、と押すだけ。細かいことを考えなくても破綻しないので、「今日は頭が回らないな」という日ほどありがたさを実感しました。
一方でES-GX26を使った日は、同じメニューでも「ちゃんと料理した感」が出やすいと感じました。グラタンを焼いたり、パンをこんがりさせたりすると、家族の反応がちょっと良くなるんですよね。「あ、今日はなんかすごいね」と言われる瞬間は、やっぱりオーブンレンジならではの楽しさだなと感じました。ES-KA18-WMは、ワンルームに近い小さなキッチンで使ってみたときに「これくらいのサイズがちょうどいいかも」と思えた一台で、置き場所に悩んでいる人には現実的なバランスだと感じています。
選び方のポイントまとめ
- 温め・解凍がメインで、トースターやグリルを別に持っているなら「DR-F423B」+既存の機器という分担が合理的
- 一台で温めもオーブン料理も完結させたい、パンや焼き菓子もよく作るなら「ES-GX26」が本命
- 設置スペースが限られていてもオーブン機能は欲しい、ひとり暮らしや少人数世帯なら「ES-KA18-WM」が候補
- 家族みんなが迷わず使えるかどうか、掃除のルーチンと相性が良いかどうかも、長く使うなら重要な判断材料
まとめ
総合力では象印 EVERINO ES-GX26が一歩抜けています。温めのムラが少なく、水分のあるおかずもパサつかず、パンもほどよく香ばしく仕上がる印象。操作系は直感的で、日常の「とりあえず温めたい」に迷いがありません。庫内のにおい残りも少なく、連続調理しても気が散らない安定感があり、平日の夕方のバタバタを静かに支えてくれる頼もしさがありました。
次点はツインバード DR-F423B。肩肘張らずに使える気軽さが魅力で、レンジ主体の生活なら十分以上です。解凍の挙動が素直で、薄い肉やパン生地でも扱いやすく、普段使いの頻度が自然と増えるタイプ。音や操作感も素朴で、必要な機能に迷いがないので家事のリズムを崩しません。「万能選手」ではないけれど、毎日の温めと解凍を気持ちよく回してくれる相棒という手触りです。
三番手は象印 EVERINO ES-KA18-WM。省スペースに置けて扱いも軽く、ひとり暮らしや設置制約のあるキッチンで価値が光ります。ただ、複数品の同時温めや大きなオーブン料理では庫内容量の制約を感じやすく、週末のまとめ調理では物足りなさが出る場面もありました。
最終的なベストチョイスはES-GX26。温め・焼きの両輪が素直に効くので、料理の段取りが整い、結果として食卓の満足度が上がります。もしレンジ中心でコスパ重視ならDR-F423Bが現実解、コンパクト最優先ならES-KA18-WMがスマート、という整理で考えると、自分のキッチンにいちばんしっくり来る一台が選びやすくなります。
引用
https://www.twinbird.jp/
https://www.zojirushi.co.jp/
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