イワタニ カセットフー マルチカットグリル CB-MCG-1


目次

概要

イワタニ カセットフー マルチカットグリル CB-MCG-1、カセットフー エコプレミアム CB-EPR-1、カセットフー 達人スリムⅢ CB-SS-3。卓上での調理シーンを想定しつつ、焼く・煮る・温めるの心地よさがどれだけ違って伝わってくるのかを、使用時の体感に絞って比較します。CB-MCG-1は焼き物の楽しさを引き出す方向の設計を感じやすく、食材の水分や油が出る場面で扱いが変わる印象があります。CB-EPR-1は日常使いの安定感を重視する人に向き、卓上での取り回しや気軽な使用に寄り添う感覚が特徴的。CB-SS-3はスリムさがセッティングの自由度につながり、食卓の人数や器の大きさに合わせやすい使い勝手が光ります。

三者の違いは、点火から調理が乗ってくるまでのスピード感、火加減の追従性、五徳の安定感、プレートや鍋との相性、油はねや匂いのコントロールのしやすさに現れます。さらに、ソロから複数人までの食卓規模、屋内外の環境変化、片付けの手間に対する許容度で満足度が分かれます。この記事では、焼き色の付き方や裏返しのタイミング、蒸気や煙の出方、食材の厚みに対する火の通り方など、調理の流れで感じる差分を丁寧に言葉にし、どの機種が自分の料理スタイルにより自然に馴染むかを見極めるヒントを提示します。

実際に何度か家族や友人と使い比べてみると、「同じメニューでもここまで印象が変わるのか」と驚く場面が何度もありました。読み進めるほどに「自分がよく作る料理ではどこが効くのか」が具体化し、選ぶ楽しさが増していくはずです。

比較表

機種名 イワタニ カセットフー マルチカットグリル CB-MCG-1 イワタニ カセットフー エコプレミアム CB-EPR-1 イワタニ カセットフー 達人スリムⅢ CB-SS-3
画像
本体サイズ 幅319×奥行279×高さ144mm 幅334×奥行274×高さ89mm 幅335×奥行275×高さ84mm
重量 約2.1kg(プレート搭載時) 約1.5kg 約1.3kg
カラー ブラウンゴールド シルバー&マットブラック ゴールド
最大発熱量 1.0kW(900kcal/h) 2.9kW(2,500kcal/h) 3.3kW(2,800kcal/h)
ガス消費量 約76g/h 約210g/h 約236g/h
連続燃焼時間 約213分 約72分 約70分
使用ガス イワタニカセットガス イワタニカセットガス イワタニカセットガス
点火方式 圧電点火方式 圧電点火方式 圧電点火方式
安全装置 圧力感知安全装置、容器装着安全装置 圧力感知安全装置 ほか 圧力感知安全装置 ほか
火力調整 無段階調整 無段階調整 無段階調整
トッププレート素材 鋼板(粉体塗装) プレコートフッ素鋼板 プレコートフッ素鋼板
ゴトク形状 グリルプレート用リング+ゴトク 内炎式バーナー対応ゴトク スリムゴトク
容器カバー あり あり あり
専用ケース なし なし 付属
使用用途 グリル調理+一般調理 一般調理(省エネ志向) 一般調理(卓上鍋向き)
本体高さ 144mm 89mm 84mm
本体幅 319mm 334mm 335mm
本体奥行 279mm 274mm 275mm
付属品 焼肉プレート、たこ焼きプレート、取っ手 なし キャリングケース
製品特徴 煙と油はねを抑えた多用途グリル調理が可能 内炎式エコバーナーで省エネ性能が高い 薄型ボディで卓上の圧迫感が少ない

比較詳細

イワタニ カセットフー マルチカットグリル CB-MCG-1は、いわゆる「ただの卓上コンロ」ではありません。焼き物に特化したプレート構造と、水皿を活用したニオイ・煙のコントロールが前提に設計されているため、リビングでの焼き料理を日常に組み込んでも部屋の空気が重くならない感覚があります。脂が落ちやすく、表面はパリッと、中はふっくらに仕上がるバランスを取りやすいので、鶏ももやサバなど脂の強い食材で違いを体感しやすいです。初回はプレートの温まり方に合わせて火力の微調整が必要ですが、一度コツを掴むと、狙った焼き色が安定して出せる楽しさが前のめりに戻ってきます。

実際に最初に使った日は、鶏もも肉と厚切りの玉ねぎを同じプレートに並べて試しました。中央と外側で火の入り方が違うので、時々位置を入れ替えながら焼いていくと、仕上がりの表情がどんどん変わっていきます。「このタイミングで返すと皮目が一番おいしい」と、自分なりのポイントがだんだん見えてくるのが面白く、次の週末も自然とこの機種を手に取っていました。

一方で、カセットフー エコプレミアム CB-EPR-1は、火の通りがムダなく、揺らぎが少ない印象です。湯沸かしや煮込み、蒸し料理の下準備など、火を安定して「任せたい」場面で信頼感があります。風の影響が出やすいベランダや窓際でも炎が崩れにくく、鍋底の温度が落ちにくいので、長時間のコトコト系でもストレスが少ないです。焼き料理に使う場合は、プレーンなゴトクと鍋底の相性次第で局所的に温度の山谷が出ることがあり、食材の置き方に気を遣う必要がありますが、火力のトーンが素直なので微調整は簡単です。

カセットフー 達人スリムⅢ CB-SS-3は、薄型でテーブルの存在感が軽く、食卓の中心に置いても圧迫感がありません。背が低いことで鍋の縁が手元に近く、取り分けが楽になるのが地味に効いてきます。焼き目を狙うような高温側の攻め方は他機種に比べて工夫が要るものの、しゃぶしゃぶや湯豆腐、寄せ鍋のような「食べながら整える」スタイルとの相性が抜群で、食事の体験がスマートになります。天面がフラット寄りで掃除がしやすく、片付けまで含めてテンポよく終わらせられるのが好ましいポイントです。

CB-MCG-1の「焼き」に振り切った設計は、油の落ち方と熱の乗り方に明確な個性があります。脂がプレート上を流れて水皿へ逃げるルートを持つため、煙が立ち上がりにくく、衣類に匂いが残りにくい体感があります。表面温度が上がってからの維持が安定し、皮目のパリパリ感を出したい時に「もう少し」で止まらず踏み切れる余裕が生まれます。焼き上がりの質が変わるので、焼くこと自体が目的になる夜が増えます。

CB-EPR-1は、効率的に鍋底へ熱を届けるイメージが強く、料理中の火力ダイヤル操作を減らせます。湯が静かに沸き続ける、煮汁が落ち着いて循環する、といった安定性は料理の段取りをスムーズにし、保温・加熱の切り替えもスナップが効きます。火の息が整っているため、弱火〜中火の領域で「焦がさずに詰める」作業に向きます。炊き合わせや根菜の下煮のように、味を染み込ませる時間が心地よく流れます。

CB-SS-3は、薄さがもたらす操作感の良さが魅力です。卓上での高さが抑えられている分、鍋の中が見やすく、箸やレードルの角度が自然で疲れにくい。鍋のふちに湯気が当たりすぎず、テーブル上の結露も控えめに感じます。火力は素直で、家族や友人が交代で操作しても扱いに詰まりません。特に、食卓で会話が弾む場では「道具が出しゃばらない」存在感が心地よいです。

グリル体験の質という観点では、CB-MCG-1が頭ひとつ抜けています。表面の水分を飛ばしやすく、焼き目のコントラストがくっきり出るため、見た目の満足度も高い。脂が落ちることで軽い口当たりになり、食べ進めても重さが蓄積しにくいのが好印象。焼き野菜は水分を保ちつつ焦げ目が入るので、甘みと香ばしさが両立しやすいです。家庭の卓上で「外で食べる炭火焼の気分に近づける」方向へ引っ張ってくれる存在です。

煮込み・湯沸かしの快適さはCB-EPR-1が優位。時間がかかるメニューでも火力が落ちにくく、気温が低い日でも鍋の沸点の手前でモタつく感じがありません。火が安定している分、鍋のフタを開け閉めしても沸きが戻るまでのラグが短く、手数が増えてもテンポが崩れません。保温に切り替えた際の熱の逃げ方も読みやすく、卓上での長丁場に強いという印象が定着しました。

食卓演出という意味では、CB-SS-3が軽やかで上品。薄型のシルエットは料理を主役に押し上げ、写真を撮るときにも器や具材が映えます。火加減の視認性が良く、誰かが座る位置を変えても操作体系が変わらない安心感があるので、ホームパーティーのように人が行き来する場で扱いやすい。見た目から受ける心理的なハードルが低く、「さっと出して、さっとしまえる」生活のテンポに収まりが良いです。

メンテナンス性の違いも日々の満足度に直結します。CB-MCG-1はプレートと水皿のケアが必要ですが、焼き料理を頻繁に楽しむなら十分に見合う価値があります。脂が受け皿に落ちるので本体のベタつきが少なく、掃除の手順は多いものの汚れの質が軽く感じられます。CB-EPR-1は凹凸が少ない構成で拭き取りがスムーズ、CB-SS-3は天面がフラット寄りなので「一枚布で仕上げる」感覚に近く、片付けの終わりが早いです。

熱の広がり方については、CB-MCG-1がプレート中心から外周へと緩やかに伝わる印象で、中央の焼き目が先に決まる分、食材の位置替えを「料理の楽しみ」に転化できます。CB-EPR-1は鍋底全面を均一に攻めるイメージが強く、鍋選びの自由度が高い。CB-SS-3はコンパクトながら狙い通りの沸点キープがしやすく、食卓で「会話の流れに熱を合わせる」ような細かな調整が苦になりません。

使用シーンを想像して選ぶなら、焼き物中心の献立が多い家庭や「香ばしさ」に価値を置くならCB-MCG-1が刺さります。週末のご褒美メニューや、家での小さな食卓イベントを演出する道具として頼りになります。毎日の調理の基礎体力を支えるならCB-EPR-1。季節を問わず安定した加熱を必要とするメニューが多い人ほど、台所と食卓の橋渡し役としての恩恵が大きい。気軽に出して、食べながら仕上げるスタイルを愛するならCB-SS-3。座る位置や器の高さに左右されにくい薄さが、食事のリズムを乱しません。

体感できる差があるかという問いに対しては、はっきり「ある」と言えます。CB-MCG-1で焼いた鶏皮の音と香りは、他機種の鍋モードでは再現しづらい「勢い」を感じます。CB-EPR-1の煮込みは、時間に対する安心感が段違いで、火加減の微修正だけで仕上がりの表情が整います。CB-SS-3は、食卓の空気にフィットする居心地の良さが独特で、道具が生活に馴染む感覚が早いです。

総じて、CB-MCG-1は焼きの幸福感を押し上げる特化型、CB-EPR-1は日常の熱仕事を支える安定型、CB-SS-3は食卓の体験を軽やかに整える機動型という位置づけになります。どれも「良い道具」ですが、使うほどに性格の違いが料理の結果だけでなく、食事の雰囲気や片付けの気持ちよさまで連鎖します。自分の生活リズムと料理の好みを重ね合わせると、自然と手が伸びる機種が見えてきます。

私は、脂が乗った魚を焼くならCB-MCG-1を選びます。皮が弾ける瞬間の香りが立ち上がるスピードが気持ちよく、食卓に座ったまま「ご馳走の顔」を作れる満足があるからです。煮物の日はCB-EPR-1に任せます。弱火を維持しながら味が染み入っていく過程を安定して見守れる安心感が、忙しい平日の精神を落ち着かせてくれます。家族や友人と鍋を囲むならCB-SS-3。会話の邪魔をしない薄さと操作のしやすさが、食事そのものを軽やかにしてくれます。

結論として、買ってからの満足は「何をどう食べたいか」で決まります。香ばしさにときめくならCB-MCG-1、段取りを整えたいならCB-EPR-1、食卓の身軽さを重視するならCB-SS-3。どの機種も明確な体感差があり、日々の料理の質と気分に確かな変化をもたらします。迷いがあるなら、最近よく作る料理を一週間書き出してみてください。自分の食卓の物語に最も馴染む一台が自然と浮かび上がってきます。

まとめ

まず結論から。最も心が動いたのはイワタニ カセットフー マルチカットグリル CB-MCG-1。卓上で「焼く」を主役にできる存在感があり、付属プレートの熱の乗り方が均一で、鶏ももや厚切り野菜の水分を逃がしにくい。炎の当たりは最大1.0kWと穏やかですが、余熱を丁寧にすれば表面はカリッ、中はジューシーにまとまる。油はねのコントロールもしやすく、食卓が少しだけ“アウトドアの高揚感”を帯びる体験がありました。

次点はカセットフー エコプレミアム CB-EPR-1。燃焼の安定感が高く、風の影響を受けにくい構造で鍋や湯沸かしの「結果」が安定。味の立体感を支える火加減が作りやすく、寄せ鍋やしゃぶしゃぶの「沸き過ぎない快適さ」が印象的。一方で「焼き」を楽しみたい日にはプレート前提の準備が必要で、気軽さはCB-MCG-1に一歩譲るシーンもあります。

三番手は達人スリムⅢ CB-SS-3。薄型で取り回しが軽快、卓上の圧迫感が少なく雰囲気づくりが上手い。ただ、鍋底の中心に熱が集まりやすく、強火で攻めると焦げの立ち上がりが早い場面も。弱火〜中火の繊細な煮込みや、人数が少ない日の簡素な鍋には相性が良いが、ボリュームのある食材や広い面積のプレート使いでは息切れを感じたこともありました。

総評として、食卓で「料理の楽しさ」を拡張したいならCB-MCG-1がベストチョイス。鍋の安定運用と日常の使い勝手重視ならCB-EPR-1、軽快な卓上演出と省スペースを求めるならCB-SS-3を選ぶと満足度が高いはずです。

引用

https://www.iwatani.co.jp/jpn/consumer/cassettegas/cb-mcg-1

https://www.iwatani.co.jp/jpn/consumer/cassettegas/cb-epr-1

https://www.iwatani.co.jp/jpn/consumer/cassettegas/cb-ss-50

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