目次
概要
メリタ バリエ シンプル、デロンギ デディカ コーン式コーヒーグラインダー KG521J-Mと並べて、ソリス スカラゼロスタチック SK1662の魅力を家庭での一杯にどう活きるかという観点で見ていきます。日々のドリップやエスプレッソに求めるのは、粒度の安定と使い勝手、そして後片付けのストレスの少なさ。コーン式を軸にした三機種は、挽き目調整の幅や操作系のわかりやすさがそれぞれ異なり、手の記憶に馴染むまでの時間も違います。朝の忙しい時間帯に手早く挽いてすぐ抽出したい人、週末にじっくりレシピを詰めたい人、家族と好みの濃さが分かれている家庭など、シーン別に選択の基準は変わります。SK1662は日常使いのテンポを崩さないシンプルな操作感と、挽き上がりのまとまりを重視する人に向き、メリタは軽快な扱いやすさ、デロンギは設定の視認性と微調整の心地よさで存在感を発揮。挽いた瞬間の香り立ちや抽出の安定感、置き場所の収まりまで含め、三者を横並びで捉えることで、自分の飲み方にぴたりと合う一本が見えてきます。続きを読めば、日々の一杯が今より確実に整うイメージを掴めるはずです。
比較表
| 機種名(固定文言) | ソリスジャパン ソリス スカラゼロスタチック SK1662 | メリタ バリエ シンプル | デロンギ デディカ コーン式コーヒーグラインダー KG521J-M |
|---|---|---|---|
| 画像 | |||
| タイプ | 電動コーヒーグラインダー | 電動コーヒーグラインダー | 電動コーヒーグラインダー |
| 刃の種類 | コニカルバー | フラットバー | コニカルバー |
| 挽き目調整段階 | 22段階 | 17段階 | 18段階 |
| ホッパー容量 | 300g | 100g | 350g |
| コーヒー粉受け容量 | 130g | 100g | 120g |
| 静電気対策 | ゼロスタチック機構 | なし | なし |
| 本体サイズ | 幅12cm×奥行18cm×高さ31cm | 幅11cm×奥行13cm×高さ24cm | 幅15cm×奥行24cm×高さ38cm |
| 重量 | 2.8kg | 1.5kg | 2.75kg |
| 材質 | ステンレス・樹脂 | 樹脂 | ステンレス・樹脂 |
| モーター出力 | 150W | 100W | 150W |
| 回転数 | 低速設計 | 標準 | 低速設計 |
| 安全機能 | 過熱防止機能 | なし | 過熱防止機能 |
| 操作方式 | ダイヤル式 | スライド式 | ダイヤル式 |
| タイマー機能 | あり | なし | あり |
| カラー | ブラック | ブラック | シルバー |
| 電源 | AC100V 50/60Hz | AC100V 50/60Hz | AC100V 50/60Hz |
| コード長 | 1.2m | 1.0m | 1.2m |
| 付属品 | クリーニングブラシ | クリーニングブラシ | クリーニングブラシ |
| 原産国 | スイス | 中国 | 中国 |
| 保証期間 | 1年 | 1年 | 1年 |
比較詳細
ソリス スカラゼロスタチック SK1662を数週間使い込んでまず強く感じたのは、挽き終わりの「片づけの軽さ」と「粉のまとまり」です。静電気を抑える設計の恩恵で、受け皿やドーザー周りに粉がまとわりつきにくく、朝の忙しい時間でもサッと抽出へ移れるスムーズさがある。トレーの隅に溜まる微粉も少なめで、撹拌せずそのままドリッパーに落としてもチャネルが出にくく、湯を差したときの膨らみ方が素直。挽き目は段階的に追い込め、浅煎りの華やかな酸を曇らせず、深煎りの甘さを潰さない。手元のV60で1投目から湯だまりが均一に沈み、最終的なカップは軽い口当たりと透明感のある後味へ落ち着いた。
メリタ バリエ シンプルは「手軽さがすべて」という電動ミル。ワンタッチでガッと回して好みの粗さへ時間調整する、という気楽さが魅力だが、粒のバラつきはどうしても出る。粉を指でつまんでみると角の立った破片と微粉が混在し、蒸らしで泡が不規則に立つ。これが味へ反映され、ボディは太めに出る一方で、抽出後半に渋味が顔を出しやすい。フレンチプレスや水出しのようなラフな抽出には悪くないが、ペーパードリップで澄んだ輪郭を求めると、味の芯が少し揺れる印象。掃除は大ぶりのクリーニングブラシで素早く済むが、静電気の影響で受け皿からの移動時に粉が散りやすく、キッチン台に薄く粉のベールが残りがち。
デロンギ デディカ コーン式コーヒーグラインダー KG521J-Mは、コーン式らしい均質な粉で抽出設計が立てやすい。液晶の表示やカップ数指定で日常のルーティンへ組み込みやすく、朝の手順が視覚的に整う。中細挽きに合わせたハンドドリップでは、注湯ラインに沿って粉床がきれいに沈み、抽出スピードを狙い通りに制御できる。味は骨格がはっきりし、チョコレート系の甘味やナッツの厚みが真っ直ぐ出やすい。挽き目を詰めればエスプレッソでも使えるが、家の環境だと若干の粉残りと受け皿への静電付着が生じ、テーブルに微粉が微かに落ちる。音は低めの唸りで、集合住宅でも夜更けに気を遣えば使える程度。
ソリス SK1662とデロンギ KG521J-Mを交互に使うと、抽出の「気持ちよさ」に差が出る。ソリスは粉がサラッと落ちてクランプが少なく、ドリッパーへ乗せた際の面がきれいに水平を保つ。これが湯の浸透を助け、1投目からムラが減る。テイスティングでは浅煎りエチオピアでジャスミンや白ワイン的なニュアンスが淡く広がり、余韻がクリアに抜けた。デロンギは中煎り〜深煎りのブレンドで実力を発揮し、甘いココア感やキャラメルっぽい厚みがふっくら乗る。フィルターの目詰まり感が少なく、流速の管理がしやすいので、再現性の高い「いつもの一杯」を組み立てやすい。
メリタ バリエ シンプルは、焙煎が進んだ豆でラフに楽しむと魅力が出る。粗めに回してフレンチプレスに落とすと、オイル分と厚い口当たりで「コーヒーらしい満足感」が即座に得られる一方、ペーパーでは微粉がフィルターに残り、雑味の影がカップの後半に忍び寄る。朝の短時間で「とにかく飲みたい」には応えてくれるが、抽出の微調整を詰めると道具側の限界が透ける。粉の跳ねと付着は日によって増減し、湿度の高い日には静電の影響が強まる体感もあった。
片付けのしやすさは、ソリス SK1662の静電気抑制構造が一歩抜けている。粉を移すときに受け皿の壁面へ貼り付く量が少なく、ブラシのひと掃きでほぼクリア。キッチンに粉の薄膜が残らないので、そのまま抽出器具へ気持ちよく移行できる。デロンギ KG521J-Mは粉の質が揃うぶん、抽出精度は高いが、受け皿からドリッパーへ移す段で静電の影響がやや出る。メリタは刃の方式由来の粉の性格もあり、移動時の散りを抑えるには少しコツがいる。
味わいの差は、粒度の均一性がそのまま口当たりに現れる。ソリス SK1662は明るい酸の輪郭が崩れず、冷めたときの甘さの戻りがきれい。ドリップ後半に感じる渋味のエッジが丸く、全体像が透ける。デロンギ KG521J-Mは骨太なミドルレンジが強く、ミルクとの相性も良好。カフェオレにすると土台の厚みが残るので、砂糖なしでも満足感が高い。メリタ バリエ シンプルは風味の勢いは出るが、繊細なバランスを狙うと微粉の主張が先行しがちで、後味に少し霞がかかる。
挽き目の幅は、ソリス SK1662が段階的に広く、浅煎りから中深煎りまでレシピを跨いで合わせやすい。ハンドドリップで抽出時間を数秒単位で詰めても、粉床が安定しているため狙い通りのレンジに落ち着く。デロンギ KG521J-Mも十分細かく、杯数設定と組み合わせて「いつもの工程」を身体で覚えやすい。メリタは時間調整が中心で、再現性を重んじると扱いに熟練が必要。ただ、休日に豪快に粗挽きで淹れて「ラフな旨さ」を味わうなら、これはこれで楽しい選択肢になる。
ノイズの質感は三者で違う。ソリス SK1662は低めの唸りで、生活の音に紛れやすい。デロンギ KG521J-Mは回転の安定感があり、音量は中庸だが嫌な金属音は出にくい。メリタ バリエ シンプルは短時間で一気に回すのでピークの音が鋭く、夜中に使うならタイミングを選ぶ。豊島区の賃貸キッチンでも、朝の7時台ならソリスとデロンギは家族を起こさず使えると感じた。
総じて、日々の「味の再現」と「身の回りの清潔さ」を両立したいならソリス スカラゼロスタチック SK1662がもっとも気持ちよく使える。抽出設計を詰めたい、ブレンドの特性を狙って引き出したい、というモードにはデロンギ デディカ KG521J-Mが頼もしい相棒になる。メリタ バリエ シンプルは、コーヒーの入口に立った人が気楽に毎朝の一杯を楽しむための道具として、十分に働いてくれる。機器の性格がそのままカップに宿るので、自分の「コーヒーの過ごし方」に合うものを選ぶと、毎日の一杯が少し特別になる。
最後に主観をもう一歩だけ。ソリス SK1662で浅煎りを澄ませたとき、湯気の向こうから柑橘の香りがすっと立ち上り、飲み終えたカップが静かに冷めていく時間が心地よかった。デロンギ KG521J-Mで深煎りを落とした朝は、パンにバターをひと塗りするだけで、食卓全体が満たされる。メリタ バリエ シンプルで粗挽きをプレスに沈めた休日は、読書のページが進むほどに、厚いボディが体をゆるめてくれた。それぞれの良さがあるからこそ、挽く前の豆を手に取る瞬間が、少し楽しみになる。
まとめ
まず総合的な満足度で最上位はソリス スカラゼロスタチック SK1662。毎朝の挽き始めにふわっと立つ香りがクリアで、微粉の抑え方と抽出時の雑味の少なさに一貫性がある。ゼロスタチックの効果で粉受けの壁に張り付くストレスが減り、24段階の粒度ダイヤルはペーパードリップからエスプレッソ寄りまで現実的な範囲を滑らかに追従する。ホッパーの使い勝手が良く、連投しても粉飛びが少ないのでワークトップが汚れにくい。私の手元では中細挽きでの湯落ちが安定し、柑橘系の酸の伸びと後味の甘みが揃いやすかった
ソリスジャパン株式会社
。次点はデロンギ デディカ コーン式グラインダー KG521J-M。コーン式らしい均一感があり、液晶で杯数を直感的に合わせられるのは忙しい朝に効く。深煎りを中挽きで淹れると質感に腰が出て、ミルク合わせでもボディが崩れない。ただ粉の付着や掃除はそれなりに手間で、細挽き域のチューニングはやや敏感。それでも「今日これでいく」を決めやすい操作性は魅力だ
De’Longhi
。三番手はメリタ バリエ シンプル。シンプルなプロペラ式で、とにかく軽やかに挽ける。浅〜中煎りを粗めでフレンチプレスに落とすとナッティで柔らかな輪郭が出て、コーヒーの楽しさに入口を作ってくれる。ただ粒度の再現性は上位二機種ほどではなく、抽出レシピで寄り添う前提になる。総評として、毎日のドリップを安定させたいならSK1662がベストチョイス。操作の見通しと風味の再現性のバランスが最も良く、粉飛びの少なさが生活の質に直結する。濃度と杯数管理を重視するならKG521J-M、まずは気軽に家庭コーヒーを始めたいならバリエ シンプルがおすすめ
ソリスジャパン株式会社
+2
。
引用
https://solis.co.jp/%e3%82%bd%e3%83%aa%e3%82%b9-%e3%82%b9%e3%82%ab%e3%82%bb%e3%83%ad%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%81%e3%83%83%e3%82%af-%e3%82%b3%e3%83%bc%e3%83%92%e3%83%bc%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%80%e3%83%bc/
https://www.melitta.co.jp/melitta_hh/coffeegrinder/varie_simple/
https://www.delonghi.com/ja-jp/s/KG521J-M
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