目次
概要
カセットフー エコプレミアム CB-EPR-1、カセットフー 達人スリムV CB-TS-5と並べて、イワタニ カセットフー スリム CB-SL-1の「薄型×使い心地」を掘り下げます。テーブルに置いた瞬間の収まりの良さ、座った目線で鍋底や具材が見やすい視認性、取り分けのしやすさは薄型ならではの体験。さらに、着脱の感触や点火から安定までのテンポ、つまみ操作の微調整のしやすさ、五徳の安定感、汚れの拭き取りやすさといった「毎回の小さな気持ちよさ」が、食卓のストレスをほどいてくれます。比較では、炎の広がり方と鍋底への当たり方、卓上の省スペース性と鍋サイズの相性、長時間使用時の火力の維持感、風や湯気の影響を受けにくい印象、そして収納時の薄さがもたらす置き場所の自由度を、体験ベースで丁寧に見ていきます。エコプレミアムの安心感や達人スリムVの軽快さと照らし合わせることで、CB-SL-1の「薄さが効く場面」と「ほどよく主張する場面」が立体的に浮かび上がるはず。日常の鍋、プレート調理、屋内外の持ち出しまで、迷いを減らす視点で違いを確かめ、最後には自分の食卓にフィットする一本が自然と見えてくるようにまとめます。続きを読めば、手元の環境で何を重視すべきかがはっきりします。
比較表
| 機種名(固定文言) | イワタニ カセットフー スリム CB-SL-1 | カセットフー エコプレミアム CB-EPR-1 | カセットフー 達人スリムV CB-TS-5 |
|---|---|---|---|
| 画像 | |||
| メーカー | 岩谷産業 | 岩谷産業 | 岩谷産業 |
| 製品名 | カセットフー スリム CB-SL-1 | カセットフー エコプレミアム CB-EPR-1 | カセットフー 達人スリムV CB-TS-5 |
| 本体サイズ | 338×272×84mm | 334×274×89mm | 338×272×84mm |
| 重量 | 約1.2kg | 約1.5kg | 約1.3kg |
| カラー | シルバー | ゴールド | シャンパンゴールド |
| 最大発熱量 | 3.3kW | 2.9kW | 3.3kW |
| ガス消費量 | 約236g/h | 約210g/h | 約236g/h |
| 連続燃焼時間 | 約90分 | 約120分 | 約90分 |
| 使用ガス | イワタニカセットガス | イワタニカセットガス | イワタニカセットガス |
| 安全装置 | 圧力感知安全装置 | 圧力感知安全装置 | 圧力感知安全装置 |
| 点火方式 | 圧電点火方式 | 圧電点火方式 | 圧電点火方式 |
| 火力調整 | 無段階調整 | 無段階調整 | 無段階調整 |
| トッププレート素材 | 鋼板(粉体塗装) | 鋼板(粉体塗装) | 鋼板(粉体塗装) |
| バーナー種類 | U字型バーナー | U字型バーナー | U字型バーナー |
| 容器カバー | アルミダイキャスト | アルミダイキャスト | アルミダイキャスト |
| 高さ制限 | 84mm | 89mm | 84mm |
| 使用可能鍋サイズ | 最大鍋径27cm | 最大鍋径28cm | 最大鍋径27cm |
| 専用ケース | なし | あり | なし |
| 省エネ性能 | 標準 | 高効率 | 標準 |
| 製造国 | 日本 | 日本 | 日本 |
| 発売年 | 2010年 | 2013年 | 2019年 |
比較詳細
カセットフー スリム CB-SL-1は、天板の低さとフラットな見た目がまず効いてくる。卓上で鍋を囲んだとき、視線が自然と鍋底まで届きやすく、具材の煮え具合や泡の立ち方が読みやすい。火加減の転びも目視で合わせやすく、しゃぶしゃぶの微妙なゆらぎを保ちたいときに手の追従が軽い。一方、カセットフー エコプレミアム CB-EPR-1は落ち着いた存在感があり、熱の伝わり方がゆったりしていて、煮込み料理の時間の流れに寄り添う感覚がある。カセットフー 達人スリムV CB-TS-5はスリム系の軽快さが際立ち、手元の動線が短く、具材を入れて火を調整するまでの一連の所作がスムーズだ。体感として、CB-SL-1とCB-TS-5は俊敏、CB-EPR-1は穏やかで安定志向という印象がまず立ち上がる。
CB-SL-1は炎の広がりが鍋底にまとわりつくようなまとまりがあり、ムダ火が少ない感触。鍋底の端まで炙られるような均一さは、餃子の羽根を狙うときにも頼れる。目で見た火の幅と、食材に伝わる熱の輪郭が一致しやすい。CB-EPR-1は燃焼のリズムが落ち着いていて、火力の揺れが少ないため、根菜の中心までじんわり火を入れる煮物で仕上がりが安定する。CB-TS-5は立ち上がりが俊足で、炒め物の最初の一撃、油を温めてネギを焦がさず香りだけ引き出す、そんな瞬間に強い。体感的には、CB-SL-1が「面で温める」イメージ、CB-TS-5が「瞬発で決める」、CB-EPR-1が「ゆるやかに通す」。
天板の高さが低いモデルの利点は、座ったままでも鍋に距離が近くなること。CB-SL-1とCB-TS-5はこの点で取り分けのストレスが減り、しゃもじや菜箸の角度が浅くても狙いがつけやすい。薄い天板に手首が干渉しづらく、卓上での器の回転も自由度が高い。CB-EPR-1は天板に安定感があり、重量のある鋳物鍋を載せても安心できる座りの良さがある。煮込み中に鍋を少し持ち上げて対流を促すような揺らしでも不安が少ない。座り心地で言えば、CB-EPR-1は「どっしり」、CB-SL-1とCB-TS-5は「ひらり」。
熱の持続という意味では、CB-SL-1は最後まで火力が枯れにくい印象があり、鍋の終盤でもスープの温度が気持ちよく維持される。鍋のラスト、うどんを投入しても、温度の谷が浅く戻りが早い。CB-EPR-1は、火力のピークが安定して長く続く体感で、長丁場のすき焼きで割り下が煮詰みすぎないようにコントロールしやすい。CB-TS-5は、序盤の鋭さが魅力で、ホットプレート的な使い方をしたときも、食材が乗った直後の温度の落ち込みから復帰が早い。いずれも「弱火の粘り」に差があり、CB-EPR-1が粘り強く、CB-SL-1が素直、CB-TS-5が機敏という手応え。
収納と取り回しでは、CB-SL-1は薄さが正義で、キッチンの引き出しやキャビネットの隙間にスッと入る。取り出すときも天板の縁が指を迎え入れるようで、片手でさっと持ち出せる軽やかさがある。CB-TS-5も同様に薄型の利点を持ち、ケース付きの構成を選ぶと持ち出しの安心感が増す。CB-EPR-1は薄さよりも据え置き感があり、定位置に収める前提での使い勝手に向く。普段使いの「よく出す・よくしまう」ならCB-SL-1やCB-TS-5、季節家電としての「置き台」の感覚ならCB-EPR-1がしっくりくる。
火力調整のつまみのフィールは、CB-SL-1が指先に程よく抵抗があり、微細な角度が残るため、弱火の停留点が見つけやすい。CB-TS-5は回し始めが軽く、素早く「中火」へ寄せたいときのテンポが心地よい。CB-EPR-1はストロークに品があり、ゆっくり刻むように火を落とせる。実際に寄せ鍋で使うと、具材が増えるにつれ火力を補う場面で、CB-TS-5の素早さに救われ、煮崩れを避けたいときはCB-EPR-1の滑らかさが効く。CB-SL-1はその中庸で、どの料理にも自然に合わせられる。
炎の見やすさは、薄型二機種の優位が明確。CB-SL-1とCB-TS-5は、鍋の縁越しに炎の肩が見えるため、煮立ちのしきい値を視覚で掴みやすい。小さめの土鍋で雑炊に移行するとき、火を落としきる直前の「湯気の角度」の変わり目が分かる。CB-EPR-1は炎が鍋に隠れがちだが、その代わり音と匂いのシグナルが豊かで、コトコトという泡のリズムと香りでタイミングを合わせられる。見て合わせるか、聴いて嗅いで合わせるか。調理スタイルの好みが分かれるポイントだ。
五徳の安定は、CB-EPR-1に軍配。大ぶりなすき焼き鍋や底が厚いフライパンを載せても、ぐらつきの不安が少ない。CB-SL-1は薄さとの両立が上手く、日常使いの鍋サイズなら不満なくこなす。CB-TS-5は軽快な取り回しの代償として、極端に偏った荷重には敏感だが、通常の卓上鍋では問題にならない。手元の安全感を重視するならCB-EPR-1、スリムで見た目のスマートさを最優先するならCB-SL-1やCB-TS-5が気持ちいい。
風の影響に関して、屋内の換気扇下で試すと、CB-SL-1は炎の輪郭が崩れにくく、鍋底の温度のムラが出にくい。おでんの仕切りを跨ぐような複雑な具材配置でも、端が冷えづらい。CB-TS-5は立ち上がりの鋭さで補い、扇風機の弱風程度なら火柱が揺れても湯の沸きは素早い。CB-EPR-1は炎が落ち着いている分、風の揺らぎに対する復元が素直で、火が舞ってもすぐ元の形に戻る。窓際で鍋を囲む夜に、安心感はCB-EPR-1、テンポの良さはCB-TS-5、均一性はCB-SL-1という棲み分け。
点火の感触はそれぞれに個性がある。CB-SL-1は「カチッ」と乾いた確信のある音のあと、炎がふわっと立ち上がる。CB-TS-5は軽快で、シュッと指を走らせた瞬間に青い火が立つ。CB-EPR-1は一呼吸置くような余裕があり、静かな起動に安心する。料理の立ち上がりの気持ちよさは、CB-TS-5が軽やか、CB-SL-1がスマート、CB-EPR-1が落ち着きという分け方になる。
デザインの印象も食卓の空気を変える。CB-SL-1はアッシュ系の落ち着いたカラーが料理写真を引き締め、具材が主役に見える。CB-TS-5はスリムなラインがテーブルを広く感じさせ、器の配置替えが楽しくなる。CB-EPR-1は重心の低い佇まいで、和の食卓にしっくり馴染み、土鍋との相性が良い。視覚的な満足の質がそれぞれ違い、盛り付けの演出まで含めて選びたくなる。
長時間の使用では、CB-EPR-1の疲れにくさが活きる。火力が落ち着いているため、鍋をかき混ぜる手数が減り、食卓での会話が途切れない。CB-SL-1は終盤まで温度が保たれ、うどんや雑炊の仕上げで「あと少し」を気持ちよく詰められる。CB-TS-5は都度の火力操作が軽いため、焼き餃子やホットケーキのように工程が明確な料理でテンポよく進む。疲労感、集中力、会話のリズム、それぞれのバランスがモデルごとに微妙に違う。
アクセサリーとの組み合わせも体感差を広げる。CB-SL-1はプレート類を乗せても高さの恩恵が消えにくく、焼き面の様子がよく見える。CB-TS-5は軽いプレートが似合い、卓上焼きの「遊び」感が増す。CB-EPR-1は重量級のプレートでも安定が効き、焼きムラを抑えたいシーンに強い。手持ちの調理器具を思い浮かべると、自分のキッチンの癖に合わせて最適解が見えてくる。
実際の自己体験として、寄せ鍋ではCB-SL-1が最も使い心地が良かった。豆腐の角を崩さず火を通したいとき、炎の見通しと弱火の止まりが絶妙で、旨みを逃さずに最後の一滴までおいしくできた。焼肉ではCB-TS-5が楽しく、薄切り肉をサッと炙って皿に逃がすリズムが軽快で、テーブル全体のテンポが上がる。煮込みではCB-EPR-1の安定が頼もしく、長時間でも味が尖らず、丸く落ち着く。料理の種類ごとに主役が変わるが、CB-SL-1は「どの料理でも外さない」万能ぶりが光る。
においと音の手がかりも選び分けに効く。CB-SL-1は湯の表面張力の変化が視覚と同期しやすく、香りの立ち上がりと火力調整のタイミングが合わせやすい。CB-TS-5は油のはぜる音からすぐ反応でき、炒め上がりにキレが出る。CB-EPR-1は煮えの音が安定して、鍋のふちで立つ細かな泡がずっと一定のリズムを刻むので、味が暴れない。五感のどこで火を読むか、自分の得意なチャンネルで選ぶと満足度が高い。
家族や友人と囲む場面では、CB-SL-1の薄さが会話の視線を邪魔しない。鍋越しでも相手の表情が見えやすく、写真を撮るときも画角が取りやすい。CB-TS-5はテーブルのスペースを奪わず、小皿や薬味の並べ替えが自由で、配膳が楽しい。CB-EPR-1は器の重さにも余裕があり、取り分けの際に鍋が動きにくく、安全側に倒れる。集まる相手や場の雰囲気まで含めて考えると、自然とベストが定まってくる。
総じて、体感できる差は確かにある。CB-SL-1は薄さと見通しの良さで「料理の精度」を上げたい人に刺さる。CB-TS-5は「軽快さ」と「瞬発力」で、料理に躍動感を足したい人に向く。CB-EPR-1は「安定」と「余裕」で、長時間の団欒や煮込みに強い。スペック表の数値では拾いきれない、手の感覚、視線の流れ、温度の戻り、音のリズム。その積み重ねが、毎日の満足を決める。
もし一本を選ぶなら、私はCB-SL-1を食卓の軸に置きたい。薄さが日常の取り回しを軽くし、見通せる炎が調理の自信を支える。鍋もの、雑炊、簡単な焼きまで、幅広い料理で「思ったとおり」に仕上がりやすい。料理を囲む時間をもっと気持ちよくする、そのための小さな正解がここにあると感じた。軽やかで、頼れて、見やすい。この三拍子が、買ってよかったという実感に直結する。
一方で、焼きのテンポを楽しみたいならCB-TS-5の躍動は捨てがたい。テーブル上に余裕ができ、器や薬味で演出する楽しみが広がる。料理を「遊ぶ」感覚を後押ししてくれて、週末の気分を軽く跳ね上げる。焼いて食べて笑って、また焼く。そのループにスピード感が宿る。
煮込みの安心と団欒のやわらかさを最優先するなら、CB-EPR-1の安定が心強い。大きめの鍋や重量のあるプレートでも気負わず、火加減の落ち着きが会話の流れを壊さない。味に角が立たず、じんわりと満足が積み上がる。冬の長い夜に、静かに頼れる相棒だ。
食卓は道具で空気が変わる。炎の性格、天板の高さ、つまみのフィール、置き姿の佇まい。自分の料理の癖と、食卓に置きたい空気に照らして選べば、後悔はない。私はCB-SL-1の「薄く、見やすく、迷わない」という潔さに惚れた。毎日の小さな成功体験が増えて、料理がもっと好きになる。そういう未来が、箱を開けた瞬間からはじまる。
結論として、体感の差は明確で、選ぶ楽しさがある。CB-SL-1は万能で正確、CB-TS-5は俊敏で遊び心、CB-EPR-1は安定で余裕。どれを手にしても食卓は豊かになるが、迷ったらCB-SL-1。薄さと視認性が、料理を一段引き上げる。火を見て、香りを聞いて、手で感じる。その全てが、ここで整う。
まとめ
一番心が動いたのはカセットフー スリム CB-SL-1。薄さが体感で違う。テーブルに座ったままでも鍋の底がよく見えて、取り分けの流れがスムーズになる。「74mmのうす型」という数値の理由が、家族で囲んだときの目線の高さにぴたり一致しているからだと思う。火の広がりが抑えられるタテ型炎口は鍋底へ熱の芯を集中させ、ムダ火の不安がぐっと減る。終盤まで火力が落ちにくいヒートパネルも、寄せ鍋の最後の雑炊まで少しもたつかない。「うすい」「見やすい」「最後まで強い」の三拍子で、季節の食卓を軽やかに整える相棒。
岩谷産業株式会社
次点はカセットフー エコプレミアム CB-EPR-1。10号土鍋まで許容する余裕が安心の頼もしさに直結する。炎が内側に出る内炎式はムダ火を抑えて効率が高く、控えめなガス消費でじわっと旨みを引き出す印象。天板のフッ素コートは拭き上げ一発で油汚れがさらりと落ち、鍋まわりの小さなストレスを受け止めてくれる。大人数の鶏だんご鍋をゆったり仕切れる「大きくも、賢い」一台。
岩谷産業株式会社
三番手は達人スリムV CB-TS-5。こちらも74mmのうす型で視界はクリア、最大火力の立ち上がりが早く、食材を入れた瞬間の温度降下に強い。ヒートパネルの効きで終盤の火力維持も良好。ただし鍋サイズの目安は9号までで、エコプレミアムに比べると大鍋の余裕は控えめ。少人数でテンポよく、すき焼きやしゃぶしゃぶを「キレのある火」で楽しむと本領が出る。
岩谷産業株式会社
ベストチョイスはCB-SL-1。視界・操作感・終盤の強さまで食卓の実感値が最も高く、日常使いの満足を安定供給してくれる。大型鍋が前提ならCB-EPR-1、少人数で速攻の鍋ならCB-TS-5が気持ちよくハマる。
引用
https://www.iwatani.co.jp/jpn/consumer/products/cg/stove/cb-sl-1/
https://www.iwatani.co.jp/jpn/consumer/products/cg/stove/cb-epr-1/index.html
https://www.iwatani.co.jp/jpn/consumer/products/cg/stove/cb-ts-5/
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